Vプレミアリーグの名門・東レアローズ女子バレー部で活躍し、現在は御坊市役所で勤務している芝田安希さん(35)=御坊市湯川町財部=が、10月の岩手国体出場を目指す成年女子バレーボールの和歌山チームの監督に就任した。選手では、印南町西ノ地出身でパナソニックESブルーベルズ所属の久堀志穂さん(37)がメンバー入り。指揮官とチームのまとめ役というキーマン2人が日高地方の選手で、活躍が期待されている。
 芝田さんは小学3年から名田ジュニアでバレーを始め、名田中から京都成安高校に進学し、卒業後は憧れだったユニチカに入社。翌年、ユニチカの休部に伴い、東レへ移籍した。ウイングスパイカーとしてチームをリーグ優勝や天皇・皇后杯優勝などに導き、2009年、2010年は主将を務めるなど、日本のトップで輝かしい成績を残した。今度は指揮官として、和歌山チームの躍進、選手の育成に力を注いでいく。
 昨年の和歌山国体ではコーチとしてベンチ入り。ことし6月に監督に就いた。選手の選抜も監督の大きな仕事の一つで、12人のうち昨年の国体経験者を8人選出。新たに加わったのが、大学生3人と、チーム最年長の久堀さん。チームの要となるセッターを探していた芝田さんは、小中学生のときの久堀さんのプレーを鮮明に覚えていて、関係者に聞いて調べたところ現役で頑張っていることを知り、練習を見学するなどして正式にオファーした。久堀さんが加入したことで選手同士のコミュニケーションが格段に増え、チームの雰囲気は上昇一途という。
 久堀さんは小学3年のときに切目ジュニアでバレーを始めてからセッター一筋。6年のときに全国優勝も果たした。切目中3年のときには和歌山選抜入り。高校は強豪・大阪国際滝井に進学し、春高、インターハイで3位、個人でベストシックス賞に選ばれるなど抜群のバレーセンスを発揮してきた。国体には高校3年のときに大阪代表メンバーとして出場。翌年の大阪なみはや国体も大阪代表で、9人制バレーで準優勝した経験がある。和歌山チームでは今回、ふるさと枠で初出場となる。
 
 選手はそれぞれ通学や仕事をしているため、合同練習は週2回だけ。それでも抜群のチームワークで調子が上がってきた。今後は12日から大阪で開催される6人制バレーボールクラブカップ女子選手権に出場。27・28日には最大の目標である国体近畿ブロック大会が控えている。本選に出場するためには、3チームずつでの予選リーグで上位2位に入り、4チームでの決定戦で上位2チームに入らなければならない。芝田さんは「本選出場するのが目標。全員が最高のプレーができれば可能性はあるので、チーム一丸で頑張りたい」、久堀さんも「経験を生かして、チームを引っ張りたい。1戦1戦大事に、本選出場できるように頑張りたい」と力を込めている。
 日高地方関係者では、御坊市役所で芝田さんと同僚の了馬朋美さん(30)もマネジャーとして監督や選手をサポート。ドリンクの用意や会計、選手への連絡など側面からチームを支えている。