国の安全基準を超える出力のレーザーポインターをインターネット販売したとして、御坊署等は5日、御坊市内に住む50代の男を消費生活用製品安全法違反の疑いで検挙、在宅送致したと発表した。全国的に相次ぐ高出力レーザー光を使ったとみられる照射事件を受け、大阪や和歌山の7府県警が共同捜査を実施。この日までに合わせて10業者を摘発し、13人を検挙、うち4人を逮捕している。
 調べによると、御坊市の男はことし3月29日ごろ、大阪市内の女性に対し、御坊市内の郵便局から、法定の表示(PSCマーク)がないレーザーポインター1本を発送し、代金3200円で販売した疑い。消費者の生命や身体に危害が及ぶ恐れが高い製品には、消費生活用製品安全法によって特別特定製品(乳幼児ベッド、ジェットバス、ライター、レーザーポインター類の4品目)として、国が定めた技術基準に適合したうえで、その旨が確認できるひし形の「PSCマーク」を付けなければ販売できないと規定され、レーザーポインターは出力が1㍉㍗以上の製品について販売が禁じられている。
 レーザーポインターを巡っては昨年10月、大阪国際(伊丹)空港で着陸直前の旅客機に向けてレーザー光が照射されたことが判明し、社会問題化。この事件の犯人は特定されていないが、ネット上で違法製品が多数出回っていることなどから、大阪府警がサイバーパトロールを行い、京都と合わせて出品者計10業者(個人を含む)を割り出した。大阪、京都をはじめ出品者の所在地がある栃木、群馬、静岡、和歌山、香川の計7府県警が7月11日以降、10業者の関係先を捜索し、合計で1998本を押収した。
 このうち御坊署は同14日、御坊市内の男の家を捜索。PSCマークのないレーザーポインター25本を押収するとともに、取り調べや捜査を進め、8月1日に書類送検した。男は違法性を認識したうえで海外から違法製品を仕入れ、すでに同様の製品を約250本販売していたとみられている。容疑を認めているという。
 レーザーポインターは赤や緑のレーザー光を出すペン型の事務用品。安全基準を大きく超える出力になると、照射によって失明したり、風船が割れるほどの強い光を放ち、危険視されている。