乾燥注意報発令下の9日夕方、日高川町鐘巻1484、無職黒田英樹さん(79)方から出火。近所の人が火災に気づいたときにはすでに火の手が回っており、約1時間後に鎮圧したが、木造平屋建て瓦ぶき約32平方㍍を全焼した。焼け跡から男性1人の遺体を発見。一人暮らしの黒田さんと連絡が取れておらず、御坊署では遺体は黒田さんの可能性が高いとみて身元の確認を急いでいる。
 現場は道成寺から北約200㍍、鐘巻住民会館近くの住宅点在地で、午後4時55分ごろ、黒田さん宅の南側に隣接する高垣忠夫さん(79)宅の軒先で掃除をしていた息子の嫁の高垣昌子さん(54)が焦げ臭いにおいに気付いた。表に出てみると真っ黒い煙が黒田さんの方から流れてくるのを見つけ、すぐに119番通報した。忠夫さんや昌子さんら家族は近くの消火栓からホースを引っ張っていち早く放水を開始。日高広域消防や地元消防団が続々と駆け付け、懸命の消火活動を展開した。厳しい寒さの中、水しぶきを全身に浴びながらホースを握り、約1時間後の午後6時7分に鎮圧、6時48分には完全に消し止めた。黒田さん宅は屋根が抜け落ちるなど全焼したが、南側の高垣さん宅は軒の一部を焦がしただけで、北側の雑木林への類焼も防いだ。消火活動中も黒田さんの安否確認が取れず、消火後に室内を捜索すると、6畳寝室付近で男性の遺体を発見した。10日に解剖して身元や死因を特定することにしている。
 黒田さんは一人暮らしで、出火当時の目撃者はなく、原因や火元もまだ分かっておらず、御坊署と広域消防が合同で10日朝から調べている。