第28回国民文化祭やまなし2013の一環として開かれた「国際切り絵コンクール・イン・身延 ジャパン」で、御坊市藤田町藤井の池口肇さん(69)=グラフィックデザイナー=の作品「月光富士Ⅱ」が上位4番目となる優秀賞(山梨県教育長賞)を受賞した。
 コンクールには43都道府県とアジアやヨーロッパなど海外11カ国から342作品が応募。東京芸術大学の保科豊巳美術学部長らが審査を務めた。
 池口さんは池口肇デザイン事務所を経営するグラフィックデザイナーで、これまで和歌山県の県章をはじめ、地元企業など数多くのロゴをデザイン。4年前に何か新しいことをはじめようと、黒い和紙を刃先で切り出して描く剪画(せんが・切り絵)を始め、これまで培ったデザイン力を生かし独学でさまざまな作品を制作してきた。
 「月光富士Ⅱ」は東京に向かう途中の新幹線から見えた雲海に包まれた富士を描いた。富士や雲を数十万個の大小さまざまな空洞で立体感を表現。切り損じないよう慎重に作業を進め、46日間かけて完成させた。受賞に際し「思ってもいなかった大きな賞をいただき、驚きとうれしい気持ちでいっぱいです。この賞を励みに、さらにオリジナルな剪画の魅力を追求していきたい」と話している。