市内熊野、社会福祉法人きのくに福祉会(北崎操理事長)が運営する特別養護老人ホーム「ごぼうの郷」建設工事が完成。今月28日午前10時から現地で竣工式が行われる。特養50床、ショートステイ10床を整備しており、オープンは9月1日からとなる。市内では2カ所目の特養で、これで市内入所待機者の問題もほぼクリアできるのではないかと期待されている。
 ごぼうの郷は、明るく家庭的な雰囲気の中、「その人らしい暮らし」を大切にするためのサービス提供を目指す。施設は鉄骨3階建て、延べ床面積2684平方㍍。50床の特養では介護保険制度の要介護1~5で身体的障害や認知症状がいちじるしく家庭での介護が困難な人を対象に日常生活の世話や機能訓練などのサービスを行う。利用月額は5~13万円。10床のショートステイは、要支援と要介護1~5で、介護者の病気や旅行など家庭の事情で一時的に介護が必要な人を受け入れる。利用日額は1000~5000円。施設内はバリアフリーで、介護は利用者10人を1つのグループとして行う「ユニット型」となる。すでにゆら博愛園などでも導入されており、少人数のグループを同じ職員が継続的に担当することで、顔なじみのような環境で生活できるよう配慮する。入所の申し込みは、市町の地域包括支援センターを通じて受け付けている。施設の設計監理は島の㈱スタジオパートスリー(中道哲也代表)、施工は有田川町の三洋建設㈱(川口禎男代表)。
 市内では名田町野島にある博愛会の日高博愛園(80床)に続き2カ所目。郡市内では11カ所目。市健康福祉課は「市内の入所待機者は120人いるとされるが、全て切羽詰まって入所を希望しているわけではない。さらに高齢者専用賃貸住宅や『あがら花まる』のように認知症対応型施設の整備も進んでいる。御坊に特養ができても全て御坊の人が入所できるわけではないが、入所待機者の問題はこの熊野の施設でほぼ解決できるのではないか。また施設を増やせば介護保険料がアップするので、日高地方全体をみてもこれが最後の特養施設になるだろう」と話している。