県の津波から 「逃げ切る」 支援対策プログラムに基づく津波避難訓練が29日、 県内沿岸部の全18市町と古座川町で行われ、 日高地方も御坊、 美浜、日高、由良、印南、みなべ(3面に関連)の6市町で計7375人が参加。 大津波警報のサイレンを合図に、 各地で住民の一時避難所までの避難誘導、 避難所運営などの訓練が行われた。
 訓練は平成14年度から11回目、 17年度からは和歌山、 三重、 徳島、 高知の4県合同で行っており、 和歌山県は今回、 全体で過去最多だった昨年より約9000人多い約2万1000人が参加。 県と市町、 消防、 警察、 消防団などのほか、 住民、 自主防災組織、 学校なども参加した。
 ことし3月に内閣府の南海トラフ巨大地震モデル検討会が公表した最大津波高の推計で、 すさみ町の18・3㍍に次いで高い17・9㍍とされた美浜町は、 全12地区で2013人の住民が避難訓練に参加。 266世帯、 617人が暮らす浜ノ瀬地区では4割近い217人がサイレンを合図に、 新浜地内の美浜松原郵便局裏手の松林へ集合。 24の班ごとに人数と氏名の安否確認を行い、 豚汁や非常食の炊き出し、 発電機による照明点灯テストなども行った。
 今回、 浜ノ瀬区民が避難した松林は標高が11㍍で、 内閣府が推計したレベルの巨大津波から命を守るため、訓練終了後は区民集会に切り替え、 町に対し、 松林への避難タワーの建設を区民全員の願いとして要望することを確認。 31日にも森下誠史町長と議会あてに要望書を提出する。