県と県農業協同組合中央会の平成23年度県農業教育賞で、印南町の稲原中学校(冨山修次校長)が最優秀賞に輝いた。同校が毎年取り組んでいる学校横の稲中農園での作物栽培や地域との連携が評価され、20年度に続いて2回目の最優秀賞。7日午前10時45分から同校体育館で表彰状伝達式が行われる。
 本年度の農業教育賞には小学校9校、中学校1校、支援学校1校の合計11校が応募。最優秀賞1校、優秀賞1校、奨励賞3校を選んだ。
 稲原中は、まちの主産業である農業を学ぶことで地域に誇りを感じてもらうとともに、生徒の主体性や積極性、協調性を養おうと、東隣にある田畑を稲中農園と名付け、毎年、さまざまな作物を栽培。23年度はもち米、サツマイモ、大豆、小豆、メロン、トウモロコシ、ブロッコリー、キャベツ、サニーレタスなど学年ごとに希望の作物を選び、苗植えから草引き、収穫までJAや地域の人の協力を得て、生徒たちが作業してきた。収穫した作物は「鍋パーティー」で味わったり、無人販売や近くの産品所に出荷して売り上げを活動費に充てたり、もち米は福祉施設に寄贈するなど地域にも貢献。23年度は新たな取り組みにチャレンジし、これまで教諭が担当していた水路整備や肥料まきも生徒で行い、収穫した作物で「食べるラー油」や「ポップコーン」を作るなど新たな料理にも挑戦した。
 冨山校長は「農業体験を通じて教育活動を充実させてきたことが認められ、大変うれしく、生徒たちの励みにもなる。今後もさらに充実させ、子どもたちの豊かな成長につながる取り組みを続けていきたい」と話している。
 日高地方では稲原中のほか、稲原小学校が奨励賞に選ばれた。