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風雲児たちの最近のブログ記事

 「風雲児たち 幕末編」29巻(みなもと太郎著、リイド社)。

 今回はいよいよ寺田屋事件!
 ...ん? 寺田屋?って、坂本竜馬が襲撃されたヤツ? 
 あれ? なんか早すぎるんでは...と混乱してしまいましたが、「寺田屋事件」は2つあったのでした...幕末好きなのに勉強不足でお恥ずかしい...。

 第一は文久2年(1862年)、薩摩藩尊皇派志士の鎮撫事件、
 第二は慶応2年(1866年)、伏見奉行による坂本竜馬襲撃事件。

 有名なのは第二ですが、今回はこの薩摩藩尊皇派の粛清事件のほうです。

 ...薩摩藩士同士の戦いでもあり、なんともやりきれなさを残す事件。
 (著者のみなもとさんも、随所でそのやりきれなさを吐露しておられるように思います)

 カンタンに言ってしまうと。
 精忠組の過激派を中心とする一派が島津久光の上洛を拡大解釈して倒幕へと暴発しそうになり、この時点ではあくまでも倒幕でなく公武合体を目指していた久光の命によって、伏見の寺田屋で粛清されてしまった、という事件です。
 
 久光の命を受けて寺田屋へ急ぐ珍武士(笑)、いや鎮撫使9名。
 すれ違いにならぬよう、4名と5名に分かれるところから始まり、克明な描写で息詰まる死の活劇が描かれていきます。

「無限の住人」の三百人斬りも大概だったけど、こっちは150年前に本当にあった死闘だと思えば、粛然と居住まいを正して読み進めずにはいられません。

 単なる活劇ではなく、一人一人の行動、心情が手に取るようにくっきり、はっきりと描かれていくところが凄い。畳み掛けるような描写でその場の緊迫感が伝わるうえに、ギャグもしっかり内容把握のために生かされる点が素晴らしい。いやホントに。

 ...詳しく再現しなくちゃいけないところだけど、今回はその後の「日向送り」がまた寺田屋事件に輪をかけて悲惨なので、その読後感が尾を引いてて、ちょっと再現する気持にはなれないのでした。

 歴史ある一国が、生き物でいえば孵化か羽化するほどの激しい変化を行う時には、甚大なエネルギーの発現の裏側で、大きな犠牲もまた発生せざるを得ないのか...と実感する巻。
 そしてその変化は、まだ始まったばかり...。

 これからです。
 音を立てて国じゅうが沸き立ってきます。
 ごくっと生唾のみこむ気分です。
 こんなに、面白いうえに「ずしっ」と読みごたえのある作品はそうはないです。
 いつも思うけど、あらためて思います。
 

 
 

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プロフィール

サト 日高新報記者。文化関係等の取材、編集整理、連載随筆や投稿原稿の編集を担当。空いた時間が少しでもあれば、本か漫画を読まずにはいられない。料理や洗濯をしながらも、可能な限り本を手離せない真性活字中毒。常に面白い本の情報を求めています。音楽や映画、歌舞伎など舞台芸術も大好きです。ひのえうま生まれの女。

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