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信長協奏曲の最近のブログ記事

 お久しぶりに新刊の出た、

 「信長協奏曲(コンツェルト)」15巻(石井あゆみ著、小学館)。

 表紙絵。ロングヘアにいくらかやつれた面差し、知性と品位を宿したこの姿はまさに竹中半兵衛。

 今巻のキーパーソンは、もちろん竹中半兵衛...ともう一人、
 登場当初から正体のつかめなかった、あやしい男。
 羽柴秀長。
 
 今回、サブロー信長くんはあんまり登場場面がありませんね。

 闇に属する2人の問答が、一番の肝になっています。

 真昼のような月光の下、波立ち騒ぐ海が一面に光る。

 揺れる小船で相対する2人(気の毒な船頭さん...)。

 「――ひとつ聞きたい。
  なぜ信長のために命を尽くす?
  我らのことなど見知らぬふりをすればよい。
  その方が身のためだ。
  何故こうして命を危険に晒してまで、
  信長に忠義を果たそうとする?」

 刃を片手にした秀長の問いに、静かな目を伏せて微笑う竹中。

 「織田信長は、面白き男だ。
  ただ それだけだ――」

 月の光の中で、その言葉は明晰に響く。

 濡れそぼった髪を揺らし、長い顔を傾けて秀長は、フフ...と笑う。

 「......我らは...本当はよく似ておるのではないかな?
  
  戦の勝敗も天下の行く末もどうでも良い。
  手柄も功名も そこで得る地位にも権威にも
  価値など見いだせぬ――

  この世で唯一意味のあるものは、
  己の心を奮い起たせてくれるもの――

  そのもののためならば命を張れる。

  ――いや、

  そのもののためだけに
  この命はある――!」

 月を浴び、また静かに微笑む竹中。

 「――確かに...
  共鳴し得るものはある――...
  ――だが...
  我らが選び立った場所は真逆――」

 「――左様、
  価値を見出したものが真逆にござった――

  それが残念でなりませぬなぁ、
  折角の同志を失うのは 少々寂しゅうござる」
 
 ...言葉を切り息をのんだ秀長は、月光の下、凛として立つ竹中半兵衛を凝視。

 「消えゆく前に燃え盛る炎は、
  強く美しいものにござる――...」

 人間の行動原理を言い破る、静かに緊迫した名場面でした。

 しかし。
 災いの芽を摘んだはずの秀吉・秀長兄弟の思惑をすり抜け、天運に恵まれたかもしれない竹中半兵衛の託した文は、「完成見学会開催中!(byサブロー信長)」の安土城へ、とき丸の手によって届けられようとしていた――。

 もはや天正7年――
 数年で焼失する安土城も、堂々たる威容を見せて完成。

 歴史的大転換点へ向けて事態は緊迫して動いているというのに。
 サブロー信長くんは「安土城完成見学会」で自ら受け付けを担当、お気楽に参加料徴収などしています。
 
 この時期、いろんなことが同時多発的に巻き起こっているはずなんですが。
 サブロー信長の涼やかな顔は二十数年前から変わらないのがうれしい。

 これから最後の局面へ向けて、おゆきの役割が当初思ったよりも重要になっていくのでしょうか。

 次巻発売は冬。待ち遠しいことです。


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プロフィール

サト 日高新報記者。文化関係等の取材、編集整理、連載随筆や投稿原稿の編集を担当。空いた時間が少しでもあれば、本か漫画を読まずにはいられない。料理や洗濯をしながらも、可能な限り本を手離せない真性活字中毒。常に面白い本の情報を求めています。音楽や映画、歌舞伎など舞台芸術も大好きです。ひのえうま生まれの女。

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