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映画の最近のブログ記事

 あんまり時間もないので駆け足になりますが、
 大ヒットアニメ、新海誠監督「君の名は。」を鑑賞した感想を。
 (ネタバレです。映画未視聴の方はご注意)

 率直に言って、大変うれしい一作だったです。

 アニメ好き、といえるほど詳しくはなく、有名どころしか観てはいないのですが。 
 宮崎駿監督の作品は「カリオストロの城」の頃から大好きで(正確にいうと旧「ルパン三世」の「ニセ札作りを狙え!」「七番目の橋が落ちる時」等の頃から)、引退宣言のあと日本のアニメ界の行く末は一体...などと勝手に憂えていたのでした。

 そして臨んだ「君の名は。」。

 クオリティの高さ。
 精密な絵が逆に感じさせてくれる、壮大なスケール感。

 少年と少女がすべてを超えて出会おうとする物語。

 「強く願うこと」で生まれる、世界を変えるほどのパワー。

 オープニングでもうすでに、心を持っていかれます。

 絵自体にたっぷりと内容が詰まっているようで、エンディングみたいなオープニングだな、と思ったのですが。
 音楽と相まってよかったです。

 糸守町の、あの風景の絵自体に凄く力があって。
 組紐の話。
 巫女としての、三葉・四葉姉妹。
 巫女の半身である「口噛み酒」。
 宮水家の女達に受け継がれる、潜在的な記憶。

 一方で、
 東京の瀧のバックグラウンドにある、父親が設計士?で、都市建設にかかわっていること。
 人の営みの新旧それぞれのかたちを象徴するような、物語の舞台。
 糸守と東京。

 物語の奥行きの深さ、内包される世界の壮大さは観る人を魅きつけてやまない。

 「おや? 今おまえ、夢をみとるな?」

 一葉ばあちゃんのこの一言には、ぞくっときましたね。
 
 世界の重層感が、ぐぐっと実感を持って迫ってくる。
 

 場面転換に効果的に用いられる、引き戸型の「扉」の描写もよかったですね。
 電車のドア。
 旧家の障子。
 気持ちよくスライドして、視点を転換させてくれる。

 あの角度で引き戸が勢いよく閉まるのを実際に目にすることってないから(痛すぎる)、あれを目の当たりにすること自体新鮮。

 じっくり書いてると果てしなく時間がかかりそうだから全部端折って、
 私が「う~ん?」と思ったのは、三葉がお父さんを説き伏せる描写がなかったこと。

 あの状態から一体どうやって説得できるんだ?
 無理があり過ぎなんじゃ?と思ったけど。

 観終わってから、いろんな人の感想をネットで観てみて、「あ!」と思った。

 そうか!
 このお父さんももしかして、かつては三葉の亡き母・二葉さんと「入れ替わり」の体験を...。

 中身が瀧である三葉の眼を凝視しながら。
 「誰だ...おまえは」
 と呟くお父さん。
 
 もしかしてここで、今は既にない「入れ替わり」体験の記憶が、意識の遠い底からゆらっと昇ってきたのかもしれない。
 そしてすべてが、彼の意識の中で結びついて正しい方向へ、動くべき方向へと動き出したのかもしれない。

 この夜、この時に緊急避難訓練の実施命令を出すために、彼は糸守町の町長になっていたのかも、という意味のことをどなたかが書いておられました。

 唯一の不満というか注文としては、みんなが実際に避難して助かる様子を、観る人の想像にまかせないでちゃんと映像で見せてほしかったな~。ダイジェスト的にでも。
 エンディングでタイトルバックが流れてる一角で、サイレントムービーのようにモノクロの映像だけでも流したりして。
 そして、助かった三葉が高校卒業して東京に出て就職して、という時間の流れをば~っと早送りで映して、急にスローモーションになって瀧と振り返って出会ったところで普通の速さになって、色がついて、ばーんとアップになってエンド。
 とかいうのも観てみたい...。

 それか、あのエンディングみたいなオープニングを、エンディングでもっぺん観たかったな~。
 
 音楽と映像が一体になってるのも気持ちよかったですね。
 あれを体感するためだけにでも、もっぺん観たい。

 アニメ映画ならではの疾走感、別世界感を堪能できる、いい映画でした。
 
 「ロスト・トレイン」(中村弦著、新潮文庫)の表紙絵で新海誠氏の絵と出会ってから4年。

 あの絵に何事かを感じて、直感的に中身も知らないまま本を買ってしまったのを思い出します。


 

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プロフィール

サト 日高新報記者。文化関係等の取材、編集整理、連載随筆や投稿原稿の編集を担当。空いた時間が少しでもあれば、本か漫画を読まずにはいられない。料理や洗濯をしながらも、可能な限り本を手離せない真性活字中毒。常に面白い本の情報を求めています。音楽や映画、歌舞伎など舞台芸術も大好きです。ひのえうま生まれの女。

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