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京極夏彦の最近のブログ記事

姑獲鳥&百器.JPG 出てから随分経ってしまったけど。
 「姑獲鳥の夏」1巻(京極夏彦原作、志水アキ作画、角川書店)。
 
 この際、これも一緒にいってしまいましょう。
 「百器徒然袋 五徳猫 薔薇十字探偵の慨然」(京極夏彦原作、志水アキ作画、角川書店)。

 視覚メディア化は不可能かと思われた、シリーズ第1作(映画化されたけど)。
 でもシリーズの原点はここにあるんだから、比較的原作と近いイメージで視覚化してくれている志水アキさんが漸くこれを取り上げてくれたのは、うれしいですね。
 
 原作の醍醐味の一つである、膨大な情報量の詰まった、京極堂と関口君の対話in京極堂奥座敷。これをどうやって漫画で描くんだろうと思ってましたが。
 話している2人の姿が交互に描かれるだけなんていう無粋な進行ではもちろんなくて、語られる内容が、具体も観念も含めて雰囲気たっぷりに視覚化。
 加えて、雄弁に語る京極堂さんの人を食ったような不敵でシャープな表情が魅力。 というわけで、普通ならうんざりしそうな吹き出しの羅列も、雰囲気に浸りながら詠み進めることができます。

 ここで語られる、「君の思い出も君の現在も 皆君の脳がいい加減に創りだしたものかもしれないじゃないか」というフレーズは、あとの展開の重要な伏線になるとも言えるかもしれません。
 
 何より。
 この巻の魅力は、後半の榎さん登場ですね。
 ヒロイン・久園寺涼子との、危うい緊迫感に満ちた会話。
 
 「その証拠が貴方のご家族の溝を決定的に広げることになったとしても?」

 急に投げかけられたその言葉に、一同がハッとして視線を向けた、その先に。
 軽く腕を組んで壁に寄りかかり、うすい色の瞳で視線を流すように涼子を冷たく見やる榎木津。
 
 「では結構」
 と言い捨てて部屋に入ってドアを閉めてしまった榎木津を、関口は涼子を見送ってから追って部屋に入り、「さっきのあれは一体なんだ」と詰問しようとして......言葉を失う。
 窓辺に片膝を立ててルーズに座り、放心したように宙を見つめて風に吹かれる榎木津。
 その心中にあるのはきっと、心ならずも涼子という不可解な女性の記憶の映像に幻視してしまった、かつての学友の最期の姿。

 この2つの榎木津さん、描いてて気持ちよかっただろうな~という感じがしますね。久園寺涼子も。
 描線自体が物語を語っているという感じ。

 まだ1巻、ほんの導入部に過ぎません。
 これからが楽しみです。

 で、「百器徒然袋」。
 京極堂さんが主人公のシリアスで複雑怪奇な本編に対し、天下無敵の薔薇十字探偵・榎木津さんが主人公のこちらの短編オムニバスシリーズ。
 本編でおなじみの面々がコミカルに活躍してくれるところが魅力なんですが。
 コミカルにテンポよく見せられるべきクライマックスのアクションシーン。
 少年漫画を長年読んでるせいか、も~ちょっと思う存分ハデに、質感伴って暴れ回ってほしいなと思ってしまう。ちょっと物足りないですね。
 そんなシーンよりも、繊細で情緒のある意味深長なシーンの方が得手なんだろうなと思われますので、本編がより楽しみですね。
 「百器」は残すところあと2話ですが...次の「雲外鏡」は京極堂さんが登場しないので残念。

 ところで...
 原作の方は、「百鬼夜行 陽」で次の「鵺の碑」執筆が暗に予告されてから、1年半がゆうに経ってしまいました。
 ろくろっ首と化しながら待ってるんですけど。
 
 

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プロフィール

サト 日高新報記者。文化関係等の取材、編集整理、連載随筆や投稿原稿の編集を担当。空いた時間が少しでもあれば、本か漫画を読まずにはいられない。料理や洗濯をしながらも、可能な限り本を手離せない真性活字中毒。常に面白い本の情報を求めています。音楽や映画、歌舞伎など舞台芸術も大好きです。ひのえうま生まれの女。

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