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いろんな意味で「繋がりの時」~ビブリア古書堂の事件手帖5~

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ビブリア5.JPG きょうは、コミックじゃなく小説の新刊を。
 
 「ビブリア古書堂の事件手帖5~栞子さんと繋がりの時~」(三上延著、メディアワークス文庫)。

 大人気シリーズですね。
 無骨な青年・五浦大輔と、極度に内気ながら古書に関することには鋭い洞察力と行動力を発揮する美人古書店主・栞子さんのじれったいまでに緩やかな恋模様が基調となったミステリシリーズ。
 私はひとに勧められて読み始めたので、あんまり積極的な読み手ではなかったのですが。やっぱり恋愛ものはどうにも苦手だし、それにヒロイン栞子さんのそれこそじれったいまでに内気なキャラクターがあんまり好きになれなくって。
 
 私自身、小説でも漫画でもドラマでも映画でもアニメでも演劇でも紙芝居でも、とにかく物語というものが好きで好きで仕方がない、物語オタクといっていいくらいなんですが。
 本そのもの、古書にまつわる薀蓄とかはあんまり興味がなかったんですね。
 知人には初版本とか箱入りで帯付きとかいう価値を大変重視される方もおられますが。私は中身そのものとカバー絵やデザインなどの装丁は大事だけど、初版とかいうことはあんまりどうでもいい方です(帯も、読みにくいので買ってくるとすぐにはずしてどっかへやってしまいます)。
 古書店も、いわゆる新古書店も、京都での古本市にもずいぶん足を運びましたが、それはひとえに少ない資金で少しでもたくさんの本を手に入れるためで、稀少な本を掘り出そうとかいう情熱はまったく持ち合わせていません。
 
 しかしこのシリーズをずっと通して読んでいると、それぞれの時代の出版にまつわる事情が分かってきて、いろんな意味で「本」に魅入られた人々の繰り広げる物語がなかなかに面白い。
 シリーズ初の長編である4巻は江戸川乱歩がテーマとなっており、幼少時に少年探偵団シリーズを愛読していた私には特に面白かったです(出版社がつぶれて絶版になりましたが、明智小五郎と金田一耕助に関する本を自費出版したことも...)。

 で、この5巻。
 
 基調となっている大輔と栞子さんの恋模様に関しては、大きな進展のある重要な一冊ですね。サブタイトルの「繋がりの時」に大きな意味があるような。
 栞子さんの迷いを断ち切る大輔のシンプルな一言は、ほのぼのと温かみを感じさせてくれます。
 しかしそれに水を差すような不穏な出来事が。
 この次巻への「引き」の部分は、シリーズがオムニバス連作のような形をとりながらも、実は一つの大きな物語であることを示しています。
                 
 あと、題材となっている古書に、今回は手塚治虫著「ブラック・ジャック」があったのがうれしかった。「弱虫ペダル」の縁で、集英社よりも講談社よりも小学館よりも、秋田書店に肩入れしたい気分なので(「ペダル」のアニメDVD2巻、観ましたよ。もっともっと、1人でも大勢の人に放映を観てもらえる算段をしてほしい!)。

 それと、私が個人的に印象に残った部分。

「作り話だからこそ、託せる思いもあるんです。もしこの世界にあるものが現実だけだったら、物語というものが存在しなかったら、わたしたちの人生はあまりにも貧しすぎる...現実を実り多いものにするために、わたしたちは物語を読むんです」

 この栞子さんの言葉は至言ですね。
 フィクションよりノンフィクションの方に重きを置く人は多いかもしれませんが、時としてフィクションは、現実よりも高次元の真実を内包している。

 この次が最終巻かな?と思いましたが、まだまだなようですね。
 妙齢の男性キャラが少ないのが私には不満ですが、ま~仕方がないです。
 次巻を楽しみに待ちましょう。

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コメント(2)

長く読んでいたい私としては、
少し足踏みみたいな感じはするのですが、
とてもうれしい内容でした。
すべての話がよくできていて私は好きです。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。

コメントありがとうございます。何やら忙しくて2カ月以上更新もチェックもしていなかったもので、返信が遅れてしまいましてすみませんでした。この記事は5巻が出た時のもので、6巻「栞子さんと巡るさだめ」の時はバタバタしていて感想が書けなかったんですよね。コメント下さったので元気が出て、6巻の感想も遅ればせながら近々書いてみようかなと思います。7巻の発売もそろそろでしょうか? 楽しみですね。

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プロフィール

サト 日高新報記者。文化関係等の取材、編集整理、連載随筆や投稿原稿の編集を担当。空いた時間が少しでもあれば、本か漫画を読まずにはいられない。料理や洗濯をしながらも、可能な限り本を手離せない真性活字中毒。常に面白い本の情報を求めています。音楽や映画、歌舞伎など舞台芸術も大好きです。ひのえうま生まれの女。

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