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2012年7月31日アーカイブ

ジャイキリ.JPG
 開幕しました、ロンドンオリンピック。
 部活も文化系ばっかで運動神経も体力もまるっきりなくて、スポーツとはとんと縁のない人生を送っておりますが、観る方は結構好きです。
 ルールとかはあんまり理解できてませんが。
 
 サッカーは開幕前にいちはやく試合があり、日本は男女とも幸先いいスタート。
 で。(というわけではなくて、実はこの間からず~っと紹介したかったんですが) 折りよくちょうど最新24巻が発売されたことでもあるし。
 ご紹介します。
 私のイチオシのサッカー漫画(というほどサッカー漫画を読んでないんですが)。

 「Giant Killing」(ツジトモ漫画、綱本将也原案・取材協力、講談社)

 もっとも、私なんかがイチオシするまでもなくすでに人気作品のようで、レンタルコミックの上位ランキングの中にありました。
 そこでズラッと並んだ表紙絵にピピッと何かを感じて、何の予備知識もなく1から読み始めたのでした。
 こないだまで「バクマン。」の繊細でシャープな絵を読んでた目には、荒削りでラフな感じのする絵柄ですが。
 ずっと読んでいるとそれが気にならなく、というかそこがいい、という感じになってきます。
 
 主人公は達海猛(たつみ・たけし)、35歳。
 イングランドの小さな町でアマチュアチームを率いて、プロチームと対等にやり合えるまでに成長させていた。
 町中の人に愛されるヒーロー的存在の達海を日本から迎えにきたのが、Jリーグの弱小チーム、ETU(イースト・トーキョー・ユナイテッド)。
 実は10年前、達海はそのチームのスター選手だった。
 ゼネラルマネージャーで達海のかつてのチームメイトでもある後藤は、「今、ETUにはおまえが必要なんだ!」と、達海に監督への就任を懇願する。 
 そして。
 いろいろあって承諾した達海。
 帰国後のインタビュー。
 「リーグで台風の目となる!」と、大胆にも宣言するのであった...。

 タイトルの「ジャイアント・キリング」の意味は、「番狂わせ」。
 弱い者が強い者をやっつける。
 それが、達海の目指すサッカー。
 
 口の端がクイッと上がってて、不敵な目をして、いつも何かをたくらんでるイタズラっ子みたいな表情。
 私、そういうキャラにとにかく弱いんですが。
 達海猛がまさにそれ。
 フットワークがかるくて肩の力が抜けてて、いつも自然体で。
 それでいて内には熱い「核」があって。
 視野が広くて、深くて。
 傍目にはなんにも考えてないように見えるのに、実はいろんなことを全身で考えてる。               
 (「信長協奏曲(コンツェルト)」のサブロー信長にも通じるものがあるな)
 読めば読むほど、カッコいいです。
 監督が主人公って漫画は、考えてみれば初めて読むんですが。
 
 そして選手達。
 ストイックを貫くチームの精神的支柱、村越。
 子犬のような目をしてひたすら疾走する少年(20歳だけど)、椿。
 やたら熱いスキンヘッドの黒田と、冷静にそれをなだめる杉江のディフェンス凸凹コンビ。
 いつも感情全開、元気でかわいい世良くん。
 生意気少年が大人になったようなカワイクない後輩の典型だけど、実力はバッチリの赤崎。
 暑苦しいまでに全力でゴールを狙い、空回りが多いけれども時として何かをしでかしてくれる起爆剤的フォワード、夏木。
 村越とは一味違い、一歩下がって包容力でチームを精神的に支えるキーパーの緑川(ドリ)さん。      
 私の一番のお気に入りは...
 「王子」ことジーノ、本名ルイジ吉田。
 こ~いうキザなナルシストって少年漫画とか青年漫画の中では勘違いキャラとして落とされるパターンが多いのに、この人は本気でカッコいー。
 ふざけているようでいて、実は賢くって状況を的確に見通せてるし。
 達海の意図とか、チームメイトの状態を何も言わずとも察知できてるし。
 ここぞというところで、すいっと出てきて涼しい顔でバシッと決めてくれるし。
 もぉ~何!? このカッコよさ!!
 口は悪いし性格には問題あるけど。
 そんなことはいいんです。カッコいいから。
 
 日韓ワールドカップ以来、ミーハー的にサッカーファンになったんですが。
 ルールとかきちんと覚えようとしたことはあんまりなかったもので(ゴールに入れたら1点、ぐらいしか分からない...)。
 23巻まで通して読んだあと、ウチのサッカー担当記者のK君をつかまえて「セットプレーて何?」「オフサイドて何?」と質問を連発。あきれながらもいろいろと図解して解説してくれたので、そのあと新古書店などで1巻から購入してまた読みました。
 サッカーって1チーム11人だから、キャラの多さがハンパじゃないんですよね~。 実は1回目読んだ時には覚えきれなかったキャラもいたんですが、もう大丈夫です。全員把握してます(他チームはまだちょっとあやしいけど。もっぺん読まなきゃ)。
 読めば読むほど、その試合そのものの意味合い、プレー一つ一つの意味、その選手がそのプレーをすることの意味まで読者に伝えてくれる視点の深さに感じ入ります。
 ハッ、とするような名言も続出。
 サッカーに関心のある人なら、本気で面白く読めるんじゃないでしょうか。
 
 で、最新24巻。
 これがまた、濃い~。
 撤退しようとしているスポンサー様が観戦にきている、という緊迫感あふれる状況の中。
 胸のすくような試合運びをやってのけた、強豪川崎戦。
 (この「フットボールダイジェスト」のETU特集記事、私も読みたいな~...)
 そして後半は、いよいよ! 
 ついに! 
 あの、ゴール裏を牛耳るサポーター集団・ユナイテッドスカルズのリーダー、羽田の過去が明らかに!
 ...なんだけど、続きは次巻に持ち越されてるので、早くも25巻が待ちきれない!

 ところで。
 次の話との間のページにある、手書き文字付きの1コマ漫画。
 こ~いうのって、スラムダンクにありましたよね~。
 「誰なんだよ! ああ!?」
 「やったじゃんもう...」
 が好きだったなー。
 
 ところで。
 謎の存在なのがマスコットのパッカ君。
 「フー、暑かった」「ご苦労さん」パカッ、とかぶりものを脱ぐ、とかいう場面の描写は全然なくて、とにかく徹底して「パッカ君」として物語に登場。
 やっぱり、隅田川に棲むカッパなんだろうか?

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プロフィール

サト 日高新報記者。文化関係等の取材、編集整理、連載随筆や投稿原稿の編集を担当。空いた時間が少しでもあれば、本か漫画を読まずにはいられない。料理や洗濯をしながらも、可能な限り本を手離せない真性活字中毒。常に面白い本の情報を求めています。音楽や映画、歌舞伎など舞台芸術も大好きです。ひのえうま生まれの女。

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